いりおもている

西表島 + TALE = いりおもている。西表島へ移住するケツイをみなぎらせた男が、島の生き物や生活のあれこれについて書き綴るブログです。

「グランダー武蔵」のルアーを西表島で使ったら原作再現できた話

以前西表島で使って釣ってやろう!」と意気込み購入したグランダールアー2種ですが、どちらも未使用のまま1年半以上の時が経過していました。

iriomotale.hatenablog.com

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ケルトンG(上)とオルカイザー(下)

オルカイザーは実用!スケルトンGはコレクション!…と決めていたものの、蓋を開ければ両方使えていない現実。

 理由は幾つかあるんですが、その中でも懸念していたのが

  • 何を狙うべきか分からない
  • ロストが怖くて使うのに躊躇する の二点。

以上の点を踏まえて、オルカイザーをこの島で使うには、どうするのがベストかについて考えてみました。

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これはこれでカッコ可愛いですが、「アニメ準拠のほっそりフォルムならもっとよかったのに」と時々思う事も

まずは前者から。

オルカイザーは70mm/8gのペンシルベイト。

全長こそ程よいですが、ボディやフックが中途半端にでかくてターゲットを絞りにくい印象を受けました。

例えばバス釣りの要領で狙えるターゲットにオオクチユゴイやメッキ、カマス等がいますが、これらを狙うルアーは細身でフックもふた回り以上小さく、そのままの状態でこれらを狙うのは向いていなさそうです。

オオクチバスの和名を持ち、獲物を周りの水ごと吸い込むように捕食するブラックバスを釣る前提で設計されたルアーなので仕方が無いですが…

かと言って強力なパワーを持つ南方の大型魚を相手にするには、そもそもホビー玩具として発売された側面もあるこのルアーとフックの耐久力では少々不安を感じてしまうのです。

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流石にこれならそうそう曲げられまい。多分その前に本体が破損します

そこで対象を「30~50cm程度の中型魚」と仮定して考えていきましょう。

ひとまず標準装備のトレブルフックは前述の通りサイズと耐久性がちぐはぐなので、太軸シングルフックに交換しました。確かサイズは#2/0だったかな。

もう少し小さい方が良かった気もしますが、在庫の中で一番しっくり来たのがコレだったので致し方無し。

ついでにスプリットリングも少しだけ強力なものに換えました。

 

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ミノーで釣れたマトフエフキ。本当に滅茶苦茶引くので、上げたら「もっとデカいと思ったのに」となるパターンも多々

次に後者ですが、これは単純にロストしにくいシチュエーションを選びます。

沖縄の魚は本当に力が強く、「60cmUPのシーバスより30cmUPのフエフキの方が引いた」という知人もいるほど。

自分はシーバス童貞なので何とも言えませんが、少なくとも過去に釣った45cmのブラックバスとは比較にならないパワーだと感じました。

これらの魚は力もさることながら、根や障害物の多いリーフでよく釣れること、油断すると一瞬で根に潜りラインをブチ切っていくことから、今回のターゲットからは外した方が賢明だと判断しました。

 

そこで考えたのが干潮時の河口域。

ここなら岩場を避けつつ砂地を狙え、水深も浅い事からポッパーよりアピール力の低いペンシルベイトでも充分にアプローチをかけられるだろうと思ったからです。

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※画像はイメージで、記事のポイントはまた別です

以上を踏まえて早速ポイントへ!

まずはキャストしてアクションの確認から。

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現地で撮り忘れたので洗面器で(笑)

浮き姿勢は60°くらいの角度で頭を出して浮きます。

ロッドをチョンチョンと動かすことで、ドッグウォークと呼ばれる左右に首を振る定番アクションも問題無く出せます。

この際同時にリールも巻きながら動かすと、水面直下に沈みつつ腹を見せるように真横にロールしながら泳ぐのがいい感じ。

この動きとポーズ、強めのトゥイッチやジャークで飛沫を立てるアクションを組み合わせて誘っていきます。そんなんポッパーでやれは禁句です。

フックを交換してもバランスを崩した様子が無いのは一安心ですが、やっぱりラインに絡まりやすいのは考えものですね。

 

同シリーズには「全然動かない」と言われるルアーもあるそうですが、このオルカイザーは結構いい動きだと思います。村田基プロが監修しているだけあってか、ただの玩具で終わっていないのは流石。

 

しかしジェットセッター71Sと4000番のリールにPE2号、フロロリーダー35lbという青物でも釣るのかというタックルでグランダー武蔵のルアーを投げた人、多分そんなにいないんじゃないでしょうか。

尤もこれもアニメ最終回で釣ってたタマカイみたいなクソデカバスには負けそうな気がしますが。

動かし方も分かった所で釣っていきましょう。

 

 

ひーとーりきりじゃないーけーどー♪

このーうーでは はなさなーいーでー♪

※今でもめちゃすこなOPテーマのサビ(0:58~)

なんて口ずさみながら僅か数投目。

連続トゥィッチでルアーを動かし、ポーズを挟んでからのワンアクション直後にボンッと水面が炸裂。

すかさず思い切りフッキングを入れる。

すると手元にガツン!!と強烈な手応え!

 

 

 

来た!!

いや、違うな。ここは…

 

 

 

フィーッシュ!!!!

 

 

 

相手も左右に走り、深みに潜りと激しく抵抗!

途中一瞬軽くなったのでバレたか!?とヒヤッとするも、またすぐ元の手応えが帰ってきた。絶対に逃がすもんか!

アタリが強くて急に軽くなるとカマスの線もあったけど、この引きの前ではその可能性も消滅。

これ絶対にアジだ。

そんな確信を抱きつつ、ファイトの末に見えてきたのは沖縄ではお馴染みのデコッパチ。

 

ロウニンアジだ!!!

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あるサイズを超えると急激にイカつい顔になりますよね

成魚が20kgを越えてくる同種の中ではまだまだ成長段階ではありますが、このサイズでも既に強烈な引きは流石GTと言ったところ。

フロントフックがグサリと刺さった唇を見るに、恐らくルアーの横っ腹目掛けて喰らい付いたんでしょうね。

少し離れたポイントに1mオーバーの個体が入っていたと後に聞きましたが、もしソイツがこちらに来ていたらオルカイザーの下半身は食い千切られてたと思います。

 

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後で平らな地面で計ったら50cmジャストでした

いやしかし、グランダー武蔵のルアーで初めて釣った魚がまさかGTっ子になろうとは思ってもみませんでした。

確かアニメの20話前後に武蔵がGTを釣る回があるんですよ。

ブラックバスが釣れない島ゆえ原作再現は出来なくなったと思っていたんですが、まさかこんな形で再現に成功しようとは。

勿論本編はコイツの比にならない巨大さですが。

 

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やっぱり大きいクーラーボックス買おう

「遠い遠い島まで君と一緒に泳ごう

 とんでもない事が出来る気がしてる」

というOPのフレーズも、西表島の海で泳がされているこのオルカイザーの事を歌ってるみたいで微妙にエモかったです。

達成の余韻に浸りつつ、鮮度が下がる前に魚がはみ出たクーラーボックスを脇に抱えながら帰りました。

途中何人かの島人に笑顔やグーサインを向けられてちょっと恥ずかしかったです。

 

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曲げたせいで残念な写真に

さて、早速捌いていきます。

ちょうど身近に

  • ブッコミ釣りの餌用に魚の頭と内臓を欲しがっていた知人 と、
  • 前から「おさかなたべたい!」と言ってた小さな子がいるご近所さん

がいたので、自分用に半身だけ残してお裾分けすることに。

 

その結果、物々交換の末に最終的に手元に残ったのが

  • ロウニンアジ半身+中落ち
  • シガヤーダコ2ハイ
  • 島内産新タマネギ2玉
  • イノシシ肉

という豪華すぎるラインナップに。

特に魚の頭と内臓がタコに化けたの、完全にバグ技だろ…!

明らかに等価交換じゃなくて若干申し訳ない気もしますが、それは今後お返ししていこうと思います。圧倒的感謝。

これらも使って早速夕食の準備に取り掛かりましょう。

 

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題して島の幸づくし。イノシシはまた今度のお楽しみ
  • ロウニンアジの刺身&なめろう
  • 石垣産島ダコとキュウリの酢の物
  • シガヤーダコと新タマネギのガリバタポン酢炒め

うまいーっ!!!!

薬味と調味料以外の全食材が八重山産。

ロウニンなんてつい数時間前は泳いでたゆえ鮮度抜群。

脂乗りはそこそこですが、コリコリの歯応えで薬味と一緒に食らうと最高でした。

しかし更に凄かったのがシガヤーと新タマネギ。

これがクニクニ歯応えのタコと滅茶苦茶甘くてシャキシャキなタマネギが、ガリバタポン酢でコクがありつつサッパリな、幾らでも食える悪魔的な味に仕上がっててバカ旨かったです。

酒が進んで仕方ないメニューばかりで、一人でテンション爆上げしながら食べてました。

 

 

 

最後は少し脱線しましたが、総括しますと

オルカイザーを西表島で使うと、色んな意味でオイシイ思いが出来る(諸説あり)

という記事でした。

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やはり南方系の魚は総じて歯も顎も強い…!

一回の釣行でこれだけ傷が付く、また大型魚がやって来る可能性が大いにあることを考えるとこのルアーもいつまで持つかは分かりません。

しかしグランダー武蔵のルアーを使って西表島の魚を釣る」という一つの夢は達成できたので、次は「何種類釣れるのか?」を挑戦していきます!

今後も使えそうなシーンやタックルと相談して、ちょくちょくオルカイザーの出番を出していきたいな。と思う元釣り少年でした。

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因みにスケルトンGはちゃんと飾ってます

ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました。