弟との八重山旅行記①【石垣島観光編】
西表島での移住を始めて3年と9ヶ月が経ちましたが、実はこの間に県外へ出た事が一度もありません。
一昨年は帰省するつもりでチケットも抑えていましたが、運悪く新型コロナの流行による緊急事態宣言とブッキングしてしまい、泣く泣くキャンセルした苦い思い出が残るばかり。
この2年間はご時世的にも家族や知人友人になかなか会えない期間でありましたが、なんと今年5月に弟が単独で旅行しに来ました。
どうやら職場でリフレッシュ休暇を取れたらしく、5/12~17の5泊6日という大ボリュームでの八重山旅行を敢行することに。
…が、なんと今年はGW真っ只中にもかかわらず沖縄が早々に梅雨入りorz
今年は冬の明けが遅かったので梅雨入りも遅いだろうと踏んでいたのですが、甘かった。
直前の天気予報でも自分が行動を共にする5/13~16の4日間は最悪の予報。
果たして弟は島を満喫できるのか。そもそも旅行を楽しむことができるのか…!?
という不安な幕開けからスタート。
今回はそんな兄弟の旅行記となります。
全4日間をパート分けして書き綴る予定ですので、よろしければお付き合いください。
という訳で、早速弟と合流すべく朝から石垣島へ向かいます。
何気に石垣島に行くのも今年初でした。
約3年ぶりの再会ではありましたが、日頃から通話しながらゲームしたり釣果報告をしていたので思ったよりもあっさりでした。まあ確かに久々感は湧かんよね。笑
合流の前日に島内一周は済ませたらしいので、前日回りきれなかった石垣島鍾乳洞へと向かいます。
ここは日本最南端の鍾乳洞で、20万年前の海底隆起により生まれたそうです。
全長約3.2kmのうち約660mが商業施設として一般公開されています。
おとな1200円、こども600円なり。
かつては海底に沈んでいた証として、シャコガイやサンゴの化石が鍾乳石の隣に点在しているのが個人的に結構面白いポイントでした。
また他の鍾乳洞よりも鍾乳石の発達が早く、3年で1mm伸びるそうです。素人の自分にはこれでも滅茶苦茶遅いように思うのですが、それゆえ鍾乳洞は長年の歳月が生んだ自然の賜物であるのだという貴重さを感じます。
石垣島鍾乳洞は日本最南端、そして世界初のイルミネーション鍾乳洞だそうです。笑
— まっつん (@matsukobonchan) 2022年5月13日
かつて海底の珊瑚礁が隆起し、約20万年もの歳月をかけてここまでの姿になったそうな。
洞窟内に鍾乳石と共にシャコガイや珊瑚の化石が見られるのも面白かったです! pic.twitter.com/Z8KmIyYbFS
また世界初のイルミネーション洞窟らしく、一部エリアはこのようにライトアップされていました。
これについては賛否両論ありそうですが、自分は一部だけならこういうのも面白いかもなと思いました。そこはかとなくキャバクラやラブホ街っぽいですが。
(なんかGhost of Tsushimaのボス戦エリアっぽいな)なんて考えてる隣で「ドンキーコング3でバナナバード助ける所やん」とこぼす弟。この兄にしてこの弟ありですね。何なんだコイツら。
「撮り方に悪意がある」と弟に言われた(偶然)鍾乳石トトロ。
実物はもっと白いのですが、光の当たり方と耳のブツブツのせいで完全にホラーゲームの世界観を醸し出していますね。
自然とこの形になったのは凄いことですが、どっちかと言うと中トトロだよなという意見で満場一致でした。
寂れた観光スポット名物「風化しすぎて読めない看板」も点在していました。笑
唯一かろうじて写真が見えるのがよりによって全国各地で見られるカマドウマというのが笑いと涙を誘います。
そんな感じで写真を撮りながら回りつつ30分程で出口です。
全体的にレトロな雰囲気漂う空間でしたが、八重山にもこんなに立派な鍾乳洞があったことに驚きです。
また石垣島はただでさえ亜熱帯気候であるうえ、西表島よりもコンクリートが多い分更に多湿になり不快指数が高まりがち。
そんな中で洞窟内部はひんやり涼しいのも観光スポットとして優れたポイントだなと思いました。
まあ出口から一歩目の熱気は地獄ですが、そのすぐ先でアイスが売ってるの商売上手ですね。マンゴーソフトおいしい。
なんやかんやいい時間になったのでお昼です。
焼肉は夜に予約したかったのですが、数日先まで予約でいっぱいだったのでランチで。
一年ぶりの焼肉、それも石垣牛の特上コースという分不相応な贅沢にテンションが崩壊しました。
こんなものを食べて旅行明けから元の食生活に戻せるか不安で仕方ないですが、久しぶりの贅沢に大満足!
西表島では3日間運転することになるので、交渉の末ここでは自分だけビール飲ませて頂きました。
ダメな兄ですまぬ。代わりに西表島に渡った後は任せろ~
ドライブがてらバンナ公園へ。
名前だけは知ってましたが、いざ行ってみると車で回るレベルの広さで驚きました。
展望台の数も多く、晴れていれば記念撮影にも動植物の観察にもバッチリなスポットでした。
公園のど真ん中にも道路が通っており、周囲の森からセマルハコガメやシロハラクイナなど島ならではの珍しい生き物たちが出てくるのも楽しいです。
この日もリュウキュウアカショウビンの鳴き声がちらほら聞こえてましたが、残念ながら撮影は叶わず。
唐人墓。
デバフや回復を多用する側近から倒さないと面倒なタイプのボスみたいです。もうだめだこのゲーム脳
食べ歩きつつブラブラしてるとあっという間に夕食の予約時間に。
一旦解散してホテルで準備を済ませ、再び合流したのち居酒屋へ。
ここ居酒屋「錦」さんは釣り人憩いの場として知られ、店内にはあちこちに魚拓や記念写真が飾られています。自分も旅行客だった頃に2度ほどお邪魔した事があり、同じく釣り好きな弟なら絶対楽しめるだろうと思って連れて来ました。
そして何よりこのお店、料理も凄く美味しいんですよね。
まずはさっそく刺身5点盛りとビールで乾杯!
・キハダ赤身・腹身
石垣島ではキハダとビンナガの水揚げが多く、いつでも鮮度がよいものを食べられるので嬉しいです。
赤身は関西ではお馴染みの、酸味の利いたさっぱりめのマグロ味。
しかしこの腹身はいわゆるトロに値する部位で、赤身の酸味に加えて噛めば噛むほど脂の旨味が溢れ出るステキ部位。弟はコレが一番ハマってました。
沖縄ではブダイ類のことをこう呼びます。真っ青なアオブダイが特に有名ですが、今回のは多分別種。
皮目に旨味があり食感もプリプリで美味しいですが、他の魚が悉く旨味や脂が強く今回はあまり目立たないポジションに。でもこれ薬味たっぷりでポン酢とかめちゃくちゃ合いそうな気がする。
・カンパチ
皮下の脂と身の旨味が半端じゃなく美味で、分かりやすく「オレ、高級魚!」という感じの味。
それでいてアジ系特有の酸味もあるお陰で幾らでも食べられます。
カンパチって同サイズのイナダなんかと比べても明らかに頭一つ抜けて美味しいからずるいですよね。見た目も味も男性的な力強さを感じる魚。
・マチ
沖縄では〇〇マチと呼ばれる魚が多すぎるのですが、これは血合いの色的にチョウチンマチことハチビキ類じゃないかと思う。
脂乗りと歯切れが程よくて美味しく、いわば安定感のある味。本土でもいまいちパッとしない魚として扱われがちですが、もっと人気出てもいいのにと思います。
語りたがりの自称魚オタクの血が騒ぐ大満足の刺し盛りでした。
これがたったの1200円というのは破格すぎて本当に意味が分からない…!
ブロッコリーはやや硬めに茹でてマヨネーズが一番美味しい食べ方だと思っているんですが、そこにぶつ切りのタコを一緒に和えた料理は控え目に言って激ウマです。とびっこがまたいい仕事してますね。
因みに料理名は「タコとブロッコリー」でした。そのまんますぎる。笑
チキン南蛮って衣のザクザクorしっとり、タレのサラサラorトロトロ、タルタルソースの味などあらゆる要素で解釈違いが発生しがちな料理ですが、こちらはザクザクの衣にさっぱりしたサラサラの甘酢ダレ、そして具材が大きすぎず酸味の利いたタルタルソースという個人的に100点満点のもので感無量。
もはやタルタルソース単品でも余裕で酒が飲めそうですが、これをたっぷり載せたジューシーな揚げ鶏が最高でないなら何だと言うのだ。
…駄目だ、書いててまた食べたくなってきました。
そんな感じで大満足の夕食でした。
その後は弟と解散です。
ちょっと早いですが、翌日以降は西表島のフィールド三昧ということでゆっくり休みます。弟は長旅の疲れもあると思いますしね。
そして明日はいよいよ釣りです。
今回は兄弟釣り勝負も企画しているので燃えますね。
何とか持ってくれよ、天気…!
トゲチョウチョウウオが期待を遥かに超える味だった話
オジーオバー達と並んでミジュンを釣る日々が続いていたある日のこと。
今晩も寿司と唐揚げで一杯やろう!と釣れる前提で撒き餌を投げるも、寄るのは色とりどりのスズメダイとチビメッキばかり。ミジュンもハダラも一匹もいやしねぇ。寄る気配も無ぇ。
こりゃダメだと思いつつも少し観察していると、群れの中にそこそこ良型のウメイロモドキが数匹混ざってることに気付く。
コイツらはタカベの仲間だけあって美味しいのですが目が良く、どうもサビキの太糸じゃ釣りづらい。
そこで秋田狐3号に撒き餌のアミエビを擦り付けるという超絶セコい仕掛けにチェンジ。
狙い通りの一発ヒット。
きもちい。これだから釣りは止められない。
もう1匹釣って酢締めでも食えればいいや、と思いながらチビメッキやスズメダイに暫く邪魔され続けていると、またもや強めのアタリ!
海中では黄色い魚が暴れている!キタコレ!
…が、その身体には青色が一切混ざってない。
おかしい。こいつウメイロモドキじゃない。
何だコレと思いつつ、上がってきたのは想定外の魚でした。
うわっ、トゲチョウチョウウオだ!
クマノミやツノダシと並んで「ザ・沖縄の熱帯魚」の代表格とされるもののひとつ。
その姿自体は島の海全域、特にリーフでシュノーケリングなんかをしてるとよく見掛ける普通種ですが、まさか狙わずして港で釣れるとは。
他のチョウチョウウオともども、釣魚より水族館や熱帯魚飼育の方が圧倒的に印象強い魚種。
そのためググってボウズコンニャクの市場魚類図鑑を開いても、手元の1400種釣魚図鑑でも食味は不明とされてました。
でも有毒だったらもっと有名になってる筈だし、ベラやスズメダイ等の外道にありがちな「大して味に特筆点が無い白身」で皆あえて食べないだけじゃないかなと思う。とてもじゃないけど食欲が湧く見た目でもないし。
まあ折角の機会ですし、本命も釣れなかったので食べてみましょう。
ということでコイツとウメイロモドキを1匹ずつお持ち帰り。
帰宅したそばから早速捌いていくぅ!
まず気付くのが、尋常じゃない量の内臓脂肪。
冬場のイワシなんかを捌いてると内臓と一緒に白い脂の塊が出てくるじゃないですか。
あれと同じものがたっぷり詰まってて衝撃を受けました。南方の熱帯魚、それも小型種がこれほど脂が乗るなんて。
しかし油断は出来ません。
沖縄で食用として利用されるテングハギやイスズミは「脂は乗ってるが臭い」という魚の筆頭格。
これらは小動物や藻類を食べる雑食性の魚で、チョウチョウウオの食性もそれらと同じ。なので味や臭いもまた然り…という可能性が大いに考えられます。
それどころか港に居着いた個体ならそれより酷いまであるかも。
という訳で恐る恐る内臓を掻き出す。
日頃からサビキ釣りのおこぼれを食っていたんでしょう、内臓は未消化のアミエビでパンパン。
なかなか強烈な臭いがしますが、これはアジやイワシやでもよくあること。
藻類の類は一切詰まっておらず、恐らく先述のような魚達の持つ身の臭みとは無関係でしょう。頼むからそうであってくれ。
こうして熱帯魚がほぼ骨だけの姿になると、デストロイアのクロール体により水族館の魚が食い尽くされる幼少期のトラウマシーンを彷彿とさせます。でもあれはタテジマキンチャクダイだったかな。
島人曰く「煮付けか汁が美味い」そうですが、初めて食べる魚種という事でここは刺身で行ってみましょう。
ベラなんかの外道がそう扱われがちなんですが、釣魚の食味アドバイスには「○○にしたら美味い(けど俺は持って帰らない)」みたいなパターンも往々にして有り得るので、信じきるのも怖いですが。だって持って帰る人も狙う人も見たこと無いんだもん。メディアでも不明なら経験しかあるまいて。
はい。
下手糞ながら姿造りにしてみました。
ウメイロモドキは身が柔らかいので皮ごと酢締めに。
こうして見るとキメ細やかで身質も血合いも綺麗ですが、味の方はいかに。
いただきます。
ぱくっ
え"っ!?!!?
一口頬張り衝撃が走る。
まず最初に感じるのが強烈な脂の甘味。
あれだけ内臓脂肪が詰まっていてたので脂乗りの良さについては納得ですが、驚いたのがクセや嫌な臭いがまるで無いこと。
それも懸念していた特有の臭みどころか、生魚ならではの生臭さすら殆ど感じない。
あれ?でもこの味どこかで…
今度は目を瞑って一切れ食べてみる。
あっ、イシダイだ!
それもそこそこの良型で脂が乗ったやつ。
味だけで言うなら、デパ地下で刺身10切れ足らずで1パック1400円前後なんて値段で売ってるやつ。あれと一緒。
流石に歯応えはあれに及ばないものの、それでも塩と酢で締めたウメイロモドキよりと比べても圧倒的にしっかりした肉質。
ありきたりな言葉で言うならまさに『適度な歯応え』という感じ。
特に背鰭付近のエンガワの脂乗りは凄まじく、正直これだけでも食べる価値があるとすら思うレベル。
まさかこんな熱帯魚の筆頭格のような魚が、刺身にするとこんな美味い魚だったとは。
わかる。
島人が煮付けや汁を勧める意味がわかる。
こんなに旨くて臭いも無い、しかし歩留まりが悪い魚を余すことなく食うには最適解だと思う。
きっと素晴らしい出汁が出るんだろうなと想像に難くない。
煮付けにしても日本酒の肴として最高のものに仕上がるに決まってる。
本当は自分も姿作りのアラを使って後日汁を作るつもりでしたが、運悪く多忙と重なり暫く冷蔵庫に入れっぱなしとなり断念。最初から冷凍すりゃよかった。
次回があるなら丸ごと煮付けか、刺身にしてアラで潮汁かなあ。
という、全く想定外の味覚に出会えたという話でした。
ひとつ困った事があるとすれば、今まではチョウチョウウオを始めとする熱帯魚を見掛けたら「綺麗だな」と思っていたのが、他種ともども悉く「美味そう」という感情切り替わるという、原始人みたいな条件反射を刷り込まれてしまった点でしょうか。
パブロフの犬もびっくりだよ!
今回は10月の秋頃に釣った個体なので別の季節であればまた違った感想になったかもしれませんが、あの内臓脂肪を見る限り秋冬には脂が乗って美味な魚と言ってもいいのかな。
とりあえず今後釣れたら絶対キープする魚が増えました。何事も経験が大事だと痛感しました。
但し八重山の場合、海域公園に指定されている特定のエリアではこれらの熱帯魚の採捕が禁じられているため、ポイント選びにはくれぐれもご注意下さい。
「グランダー武蔵」のルアーを西表島で使ったら原作再現できた話
以前「西表島で使って釣ってやろう!」と意気込み購入したグランダールアー2種ですが、どちらも未使用のまま1年半以上の時が経過していました。
オルカイザーは実用!スケルトンGはコレクション!…と決めていたものの、蓋を開ければ両方使えていない現実。
理由は幾つかあるんですが、その中でも懸念していたのが
- 何を狙うべきか分からない
- ロストが怖くて使うのに躊躇する の二点。
以上の点を踏まえて、「オルカイザーをこの島で使うには、どうするのがベストか」について考えてみました。
まずは前者から。
オルカイザーは70mm/8gのペンシルベイト。
全長こそ程よいですが、ボディやフックが中途半端にでかくてターゲットを絞りにくい印象を受けました。
例えばバス釣りの要領で狙えるターゲットにオオクチユゴイやメッキ、カマス等がいますが、これらを狙うルアーは細身でフックもふた回り以上小さく、そのままの状態でこれらを狙うのは向いていなさそうです。
オオクチバスの和名を持ち、獲物を周りの水ごと吸い込むように捕食するブラックバスを釣る前提で設計されたルアーなので仕方が無いですが…
かと言って強力なパワーを持つ南方の大型魚を相手にするには、そもそもホビー玩具として発売された側面もあるこのルアーとフックの耐久力では少々不安を感じてしまうのです。
そこで対象を「30~50cm程度の中型魚」と仮定して考えていきましょう。
ひとまず標準装備のトレブルフックは前述の通りサイズと耐久性がちぐはぐなので、太軸シングルフックに交換しました。確かサイズは#2/0だったかな。
もう少し小さい方が良かった気もしますが、在庫の中で一番しっくり来たのがコレだったので致し方無し。
ついでにスプリットリングも少しだけ強力なものに換えました。
次に後者ですが、これは単純にロストしにくいシチュエーションを選びます。
沖縄の魚は本当に力が強く、「60cmUPのシーバスより30cmUPのフエフキの方が引いた」という知人もいるほど。
自分はシーバス童貞なので何とも言えませんが、少なくとも過去に釣った45cmのブラックバスとは比較にならないパワーだと感じました。
これらの魚は力もさることながら、根や障害物の多いリーフでよく釣れること、油断すると一瞬で根に潜りラインをブチ切っていくことから、今回のターゲットからは外した方が賢明だと判断しました。
そこで考えたのが干潮時の河口域。
ここなら岩場を避けつつ砂地を狙え、水深も浅い事からポッパーよりアピール力の低いペンシルベイトでも充分にアプローチをかけられるだろうと思ったからです。
以上を踏まえて早速ポイントへ!
まずはキャストしてアクションの確認から。
浮き姿勢は60°くらいの角度で頭を出して浮きます。
ロッドをチョンチョンと動かすことで、ドッグウォークと呼ばれる左右に首を振る定番アクションも問題無く出せます。
この際同時にリールも巻きながら動かすと、水面直下に沈みつつ腹を見せるように真横にロールしながら泳ぐのがいい感じ。
この動きとポーズ、強めのトゥイッチやジャークで飛沫を立てるアクションを組み合わせて誘っていきます。そんなんポッパーでやれは禁句です。
フックを交換してもバランスを崩した様子が無いのは一安心ですが、やっぱりラインに絡まりやすいのは考えものですね。
同シリーズには「全然動かない」と言われるルアーもあるそうですが、このオルカイザーは結構いい動きだと思います。村田基プロが監修しているだけあってか、ただの玩具で終わっていないのは流石。
しかしジェットセッター71Sと4000番のリールにPE2号、フロロリーダー35lbという青物でも釣るのかというタックルでグランダー武蔵のルアーを投げた人、多分そんなにいないんじゃないでしょうか。
尤もこれもアニメ最終回で釣ってたタマカイみたいなクソデカバスには負けそうな気がしますが。
動かし方も分かった所で釣っていきましょう。
ひーとーりきりじゃないーけーどー♪
このーうーでは はなさなーいーでー♪
※今でもめちゃすこなOPテーマのサビ(0:58~)
なんて口ずさみながら僅か数投目。
連続トゥィッチでルアーを動かし、ポーズを挟んでからのワンアクション直後にボンッと水面が炸裂。
すかさず思い切りフッキングを入れる。
すると手元にガツン!!と強烈な手応え!
来た!!
いや、違うな。ここは…
フィーッシュ!!!!
相手も左右に走り、深みに潜りと激しく抵抗!
途中一瞬軽くなったのでバレたか!?とヒヤッとするも、またすぐ元の手応えが帰ってきた。絶対に逃がすもんか!
アタリが強くて急に軽くなるとカマスの線もあったけど、この引きの前ではその可能性も消滅。
これ絶対にアジだ。
そんな確信を抱きつつ、ファイトの末に見えてきたのは沖縄ではお馴染みのデコッパチ。
ロウニンアジだ!!!
成魚が20kgを越えてくる同種の中ではまだまだ成長段階ではありますが、このサイズでも既に強烈な引きは流石GTと言ったところ。
フロントフックがグサリと刺さった唇を見るに、恐らくルアーの横っ腹目掛けて喰らい付いたんでしょうね。
少し離れたポイントに1mオーバーの個体が入っていたと後に聞きましたが、もしソイツがこちらに来ていたらオルカイザーの下半身は食い千切られてたと思います。
いやしかし、グランダー武蔵のルアーで初めて釣った魚がまさかGTっ子になろうとは思ってもみませんでした。
確かアニメの20話前後に武蔵がGTを釣る回があるんですよ。
ブラックバスが釣れない島ゆえ原作再現は出来なくなったと思っていたんですが、まさかこんな形で再現に成功しようとは。
勿論本編はコイツの比にならない巨大さですが。
「遠い遠い島まで君と一緒に泳ごう
とんでもない事が出来る気がしてる」
というOPのフレーズも、西表島の海で泳がされているこのオルカイザーの事を歌ってるみたいで微妙にエモかったです。
達成の余韻に浸りつつ、鮮度が下がる前に魚がはみ出たクーラーボックスを脇に抱えながら帰りました。
途中何人かの島人に笑顔やグーサインを向けられてちょっと恥ずかしかったです。
さて、早速捌いていきます。
ちょうど身近に
- ブッコミ釣りの餌用に魚の頭と内臓を欲しがっていた知人 と、
- 前から「おさかなたべたい!」と言ってた小さな子がいるご近所さん
がいたので、自分用に半身だけ残してお裾分けすることに。
その結果、物々交換の末に最終的に手元に残ったのが
- ロウニンアジ半身+中落ち
- シガヤーダコ2ハイ
- 島内産新タマネギ2玉
- イノシシ肉
という豪華すぎるラインナップに。
特に魚の頭と内臓がタコに化けたの、完全にバグ技だろ…!
明らかに等価交換じゃなくて若干申し訳ない気もしますが、それは今後お返ししていこうと思います。圧倒的感謝。
これらも使って早速夕食の準備に取り掛かりましょう。
うまいーっ!!!!
薬味と調味料以外の全食材が八重山産。
ロウニンなんてつい数時間前は泳いでたゆえ鮮度抜群。
脂乗りはそこそこですが、コリコリの歯応えで薬味と一緒に食らうと最高でした。
しかし更に凄かったのがシガヤーと新タマネギ。
これがクニクニ歯応えのタコと滅茶苦茶甘くてシャキシャキなタマネギが、ガリバタポン酢でコクがありつつサッパリな、幾らでも食える悪魔的な味に仕上がっててバカ旨かったです。
酒が進んで仕方ないメニューばかりで、一人でテンション爆上げしながら食べてました。
最後は少し脱線しましたが、総括しますと
オルカイザーを西表島で使うと、色んな意味でオイシイ思いが出来る(諸説あり)
という記事でした。
一回の釣行でこれだけ傷が付く、また大型魚がやって来る可能性が大いにあることを考えるとこのルアーもいつまで持つかは分かりません。
しかし「グランダー武蔵のルアーを使って西表島の魚を釣る」という一つの夢は達成できたので、次は「何種類釣れるのか?」を挑戦していきます!
今後も使えそうなシーンやタックルと相談して、ちょくちょくオルカイザーの出番を出していきたいな。と思う元釣り少年でした。
ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
離島で釣るならコレ!にわか離島民が推すルアーたち【リーフ編:その②】
※前回はこちら
本当は1つの記事で3種類のルアーを紹介するつもりだったんですが、予想外に文章が長くなってしまったので記事を分けました。
今回は2種類まとめて紹介します。早速行きましょう。
- ショアーズ ティロミノー
まさに高機動!小粒でぶっ飛ぶマイクロミノー
株式会社タックルハウスが展開する「ショアーズ」シリーズのマイクロミノーです。
前回のCDと同じシンキングプラグで、全長/重量は44mm/4.8g。ちょうどCD-3とCD-5の中間的なスペックですね。現代において主流のプラスチック製ルアーで、木製のCDと比較するとよりキビキビとした動きをします。
このルアーの武器は飛距離と操作性、そして各種アクションからの立ち上がり性能の高さ。
5cmにも満たないマイクロプラグの割に非常によく飛びます。
リーフではあまり輝かない長所かもしれませんが、多少の風なら気にせずキャストできるのは嬉しいポイント。ぶん投げて広範囲を手早く探れるのもいいですね。
この多面構造になった独特のリップは、公式曰く
「時に水を掴み、時に受け流す事により抜群の立ち上がりの良さと、引き抵抗の少ない快適な使用間の両立」の為に設計されたそうです。
実際連続でトゥイッチやダート、その直後ただ巻きに…等素早くアクションを切り替えても、乱れる事無く非常に素直に動いてくれます。
モタつきが生じにくく狙ったポイントで思惑通りのアクションが付けやすいのは魅力的。
その際手元に伝わる抵抗も確かに少ないように感じます。軽いのはストレスフリーでいいですね。
勿論ある程度はちゃんと残っていて、違和感や気持ち悪さの無いバランスに仕上がっていました。
そんなこんなで幅広い動かし方で使えるので、自分はCDシリーズと並んで「とりあえず投げてみるルアー」として活躍してもらってます。
特に初代は移住前に池袋の上○屋で買って以来、何度もフックを交換しながら使い続けているお気に入り。数あるルアーの中でも非常に愛着があります。
サンゴと魚の歯と下手クソな持ち主にやられてもう随分ボロボロになってしまいましたが、これからも沢山の魚を連れて来てくれると信じています。最後まで使い潰しましょうかね…
因みに現在はプレゼントして頂いた2代目が控えています。
先ほどルアー単体で撮っていたのがそれですね。
こちらは初代が亡くなってしまったら随時登場させたいと思います。
新主人公機への乗り換えみたいでなんか胸熱展開っぽいですね。ライジングガンダムを抱えるゴッドガンダム的な感じで。
以上を総括しますと、
- 小さいながら飛距離が稼げる
- 操作性が良好なオールラウンダー
そんなルアーであると思います。
基本的な使い方はCDとあまり大差無いですが、やはりただ巻き以外の攻め方が豊富な点と飛距離が優秀ですね。
わりかし偏平で体高のあるボディは適度なボリュームがあり、小さくともアピール度が高いです。カラーのラインナップもフラッシング重視のものが多くシナジーがありますね。
但し材質や重量の都合で沈下速度が速い分、潮位によっては攻めにくさを感じる場面があるのも事実。なので「リーフ専用ルアー」というより「場所を選ばず投げられる万能マイクロミノー」といった使い方・選び方をした方が概ね正しいと思います。
そもそもショアーズが海でのライトゲーム専門のシリーズなので当たり前かもしれませんが。
そして今回はもう1つ続けてご紹介します。
- ヨーヅリ エバミノー
一見ただの平凡ミノー。その実態は抜群のコスパを誇る、水面直下のダークホース!
一見シャッドプラグのようにも見えるスタイルの小型ミノーです。
今回紹介する中で唯一のスローシンキングタイプで、その名の通り非常にゆっくり沈むのが特徴。
ひと昔前のバスプラグのような見た目で、ラパラのCDシリーズとはまた違った意味で「時代を感じる」デザインですね。
エバとはギンガメアジ等いわゆるメッキの別名で、漢字で書くと「榎葉」となるそうです。汎用人型決戦兵器とは一切無関係ですが、そちらを先に思い浮かべた方は自分と同類ですので悔い改めて下さい。
しょうもない話はさておき本題に戻ります。
まず初めに目を引くのが、55mm/4gというこれまで紹介してきたルアーの中で最も軽い重量比。沈下速度が非常に遅く潜行レンジも浅いため、メーカーが想定しているであろう「メッキを防波堤から狙う」というシチュエーションで使用するならストレス溜まるんじゃないかとすら思います。
因みに標準装備のトレブルフックから#8前後のシングルフックに換装すると沈まなくなりました。シンキングとは一体…
飛距離は予想以上に出ていると感じますが、その軽さが災いして風に滅法弱いという明確な弱点があります。飛距離を重視しないインリーフとは言え、風のせいで狙った位置に投げにくいのはデメリットですね…
…と、ここまで欠点ばかりを書いてきましたが、それはあくまで防波堤や強風時の話。
この沈下速度が遅いという本来欠点にもなりえるストレス要素は、遠浅で根掛かりの多発するインリーフの場合完全に長所へと変わります。
肝心のアクションですが、ただ巻きではヌルヌルと控え目な動きで泳ぎます。ナチュラルである反面アピール度はあまり高くありません。
しかしこのルアーが本領を発揮するのはロッドアクション。
「トゥイッチによりイレギュラーアクションとフラッシングを生み、反射による食わせが可能」と公式が謳っているだけあり、不規則にシュババッ!と動く姿は人間から見てもまさしく旨そうな小魚。
その際”スラッシュホログラム”と呼ばれる縞状に入った反射ペイントが文字通り輝きます。俊敏なヒラ打ちアクションと煌めきによる刺激はフィッシュイーターたちに非常に効果的。
アクションを止めると同時にピタッ!と静止、そのままスーッ…と絶妙な速度で沈んでいくのもなかなかズルい搦め手。
ここに先述の非常に遅い沈下速度が加わり、
先に紹介した2種が使いづらい水位でも使えるどころか、ポーズによる食わせの時間すら作る事が可能なのが最大の評価点だと思います。
最早エバミノーじゃなくてリーフミノーなんじゃないかコイツ…
特に先に紹介した2種が不調な時にこそ爆発する可能性を秘めています。
例えば冬場の低活性時、ティロミノーではアタリが出なかった状況からエバミノーに交換した途端にアタリが連発。厳しい状況を打破する一手として大活躍してくれました。
言うまでも無く高活性時にも有効ですが、その際はCDやティロミノーを投げて巻いてくる方がラクなので…
またリーフ釣りという今回の主旨からは少し外れますが、本来のターゲットであるメッキにもすこぶる効果的。
最初に触れたストレスもあくまで「防波堤等の深いポイントで使用」する場合で、表層狙いや浅いポイントであれば一転してエバミノーの名に恥じない優秀さを見せ付けられます。最近は港で小物を釣るにはもっぱらコレばかりで、メッキ以外にカマスやダツの反応も良く手放せないルアーとなりました。
そして特筆点として、このルアー滅茶苦茶安いんですよね。
ルアー1個で1400円なんてザラになってきた感がありますが、エバミノーのメーカー希望価格は880円、店舗価格だと700円前後で買えます。これならルアー1本分の予算で2本買えちゃいますね。
その上フックが低品質な訳でも無く、寧ろかなり頑丈で錆に強いとすら感じます。
※ただ気掛かりな点がひとつありまして、
この記事を書いている間に公式HPから商品ページが消え、Amazonでの取り扱いも終了してしまった事から生産終了になってしまった可能性が高いです。
いつか再販して頂けると嬉しいですが…残りのストックは大事に使わねば。
以上を総括しますと、
- 元々リーフ向きのスペックだが、特にCDやティロミノーで攻めにくい状況で真価を発揮
- 抜群のコストパフォーマンス
- 風や深場は苦手(追い風にはめっちゃ乗る)
そんなルアーであると思います。
扱いのお手軽さで言えば先の2種に後れを取るかもしれませんが、それを補うのに余りある食わせ性能とリーフへの適性は非常に魅力的です。
何より価格の安さはぶっちぎりのトップで、安くて釣れるというだけでも充分な評価点。
自分も最初は「当時コハダの寿司にハマっていた時、コハダカラーのこのルアーが安かったからついでに衝動買いした」という出会いでした。
それが今では手放せないルアーの1つとなっているのも面白いもので、やっぱりこういった出会いがあるのもルアー選びの魅力だな、と思いました。
という訳で、リーフでのライトゲームでオススメしたいルアー3選でした。
本当はもっと有名な、或いは釣れるルアーも沢山あると思いますが、一番最初にお話しした通り「自分で使ってみてよかったもの」の紹介なのでご覧のようなラインナップとさせて頂きます。
またリーフは基本的に高活性な魚が多く、手持ちの中から色々試して反応が良いものを探してみるのも面白いですね。
もし好評であれば、いずれ別のシチュエーションでのオススメルアーも紹介したいと思っています。
この記事が少しでも皆さんのお役に立てると凄く嬉しいです。
それでは安全と環境に気を付けて、楽しい釣りライフを!