いりおもている

西表島 + TALE = いりおもている。西表島へ移住するケツイをみなぎらせた男が、島の生き物や生活のあれこれについて書き綴るブログです。

沖縄のサバ・グルクマで〆鯖を作ってみたけど

遅れ馳せながら、明けましておめでとうございます。

 

昨年は新型コロナウィルスにより非常に大きな影響を受けた方も多いと思いますが、8月にはとうとう島内でも感染者が現れたり、GoToトラベルの影響で仕事が突然多忙を極めたりと、西表島で生活する自分も例外ではありませんでした。

 

他者との接触を避けながらであれば今まで以上に活動できる機会ではあったんですが、思い返すと過剰に神経質になり生産性に欠ける一年を過ごしてしまったかなと思います。今年はブログの更新も含めて色々やれたらいいなと思ってますので、よろしくお願いします。

 

 

思い立ったが何とやらで、早速釣りに行ってきました。

 

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最近メッキを卒業したか?という所のロウニンアジ40cm

実績の無いポイントで正直あまり期待はしていなかったんですが、一投目で食ってきてくれました。新年早々幸先が良いですね。

正直ロウニンアジって他の大型アジより味が一歩劣るような気がして食べるか悩んだんですが、エラにフックが刺さり大量出血しだしたので血抜きして持ち帰ることに。

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中落ちと端材を味噌と生姜で叩いただけの、「なんちゃって」なめろう

冬場で脂が乗ってたのか、期待していたよりだいぶ美味かったのでリリースせず正解でした。

パパッと貧乏飯を済ませて卸した身は晩飯用に保存。せっかく天気もいいんでもうちょい釣りに行きましょう。

という訳でまた別のポイントへ繰り出し釣り再開。ここも実績はありませんが、もう獲物は確保出来てるので精神衛生上ラクでいいです。

  

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ミジュンを追い回していたギンガメッキ

小魚の群れを追う姿が見えたのでマイクロジグ落としたら一撃でした。

 

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朝イチでロウニンが釣れてなければギリ持ち帰っていたオニヒラアジ

深場で7gスプーン投げてもすぐヒット!久々の快晴でだいぶ活性も上がってるようでした。

 

もう1匹追いすがる魚影が見えたのですぐさまキャスト、すると再びヒット!

今度は微妙な引きを感じながら見えてきたのは細長い魚影。

あれ?こいつガーラじゃない…?

 

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新魚種はいつでも意図せず釣れるもの(byヘボ釣り師)

あっ、オマエ知ってるぞ!グルクマだな!

グルクンやミジュン、ハダラなど沖縄の大衆魚の中で一度も見た事が無かったのがこのグルクマ。

日本では沖縄以外で殆ど利用されていない南方系のサバの仲間で、国内でこそ馴染みは無いものの世界的な分布は広く、特に東南アジアでは重要な食用魚だそうな。

 

ところでこの魚、釣りや魚が好きな人ほど違和感を覚えるんじゃないかと思います。

サバの仲間ということを踏まえて、ここで改めて姿をよく見ていきましょう。

 

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普通のサバの口ってもうちょっとブリっぽいですよね?

やはり中でも最も目を引くのは、イワシのようにガバッと広がる巨大な口。

実際この後稚魚の大群を数匹で襲う様子を目撃しましたが、その大口を全開にしながら追い掛け回す姿はさながらクジラのよう。やはり通常のサバより主食となる生物が小さくプランクトン食性が強いんだろうなと思いました。

 

それともう1つ気になったのが陸上での暴れ方。

普通のサバってビチチチチ‼とまるで携帯のバイブみたいな動きをすると思うんですが、このグルクマはビッタン…ビッタン…とゆっくり大きく跳ねるのが印象的でした。

 

模様も背中こそ一般的なサバっぽくあるものの、その下にはカツオのような縞模様がくっきり。

これは25cm程度ですが、もっと大きくなると体高が出てアジのような体型になるそうな。

つまりこのグルクマ、【一見サバっぽいけど、よく見れば見るほどサバをベースにした青魚のキメラ】といった風貌の魚なのです。

あと様々な食用魚の融合体のように見えるため、「RPGで食材アイテムとして登場しそうだな」とか思いました。伝わる気がしない例えですが…

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胸ビレ横の斑紋のせいかコノシロっぽさも

そして自分が辿り着く単純な思いがひとつ。

そんな魚絶対美味いに決まってるじゃん!!!

我ながら単純です。尤もサバの仲間ならそう考えるのも道理かもしれませんが。

サバと同じ調理が流用できるとすれば、塩焼き、味噌煮、燻製と何でもイケそうですが今回は特に好きな〆鯖を作る事にしました。

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ビフォーアフター。あの後すぐに2匹目が釣れました

こうして見比べると改めて口の大きさに驚きますね。こういう形のルアーあるよなあ…

ちゃちゃっと3枚に卸します。

 

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塩は「これでもか!」という程使っていいと思います

次に真っ白になるまで身に塩をして寝かせます。今回は40分ほど行いました。

 

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今思えばこの漬け時間なら皮目は下でよかったよなあ

そして塩を洗い流したら酢に漬けます。

〆鯖のレシピを調べると米酢を指定している場合も多いですが、穀物酢でも美味しく作れますよ。寧ろまろやかな仕上がりになるので好みで選んで大丈夫だと思います。

今回は昆布と鷹の爪と一緒に30分ほど漬け、皮を引いてから1尾をそのまま、もう1尾を炙りにして頂くことにします。

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我ながら華の無い食卓。因みにロウニンアジの方は文句無しで美味でした

はい、という訳で先に釣ったロウニンアジの刺身&ハーブソテーと一緒に頂きます。

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添えるだけで彩り良くなる大葉はやはり神

うん!

これはイケ・・・る・・・ぞ・・・?

(あれ…?) 

 

まず第一に身が水っぽい。

40分塩をすると身から相当量の水分が出て、皮もシワシワになってきたので大丈夫だと思ったんですが…それでもまだまだ改善の余地がありそうです。

 

そして何より臭味寄りの独特の風味があるのが最大の懸念点。

生臭いとかではなく、サバにもあるミルク臭を更に強くしたようで微妙な感じ。

炙りの方こそ香ばしくてそこそこですが、素の〆鯖の方はあまり美味しいとは思えませんでした。

 

 

そんな感じで、正直ちょっと期待外れな結果で終わってしまいました。

勿論今回釣れたものは成魚ではなく、釣ってすぐ血抜きや氷水で〆た訳でもないので「グルクマは不味い!」という結論を出したい訳ではありません。

むしろ美味しく食べられる調理法と時期を知るために色々試したいので、また何か得られるものがあればブログかTwitterで情報を発信できればと思います。

また旬や美味しかった情報をお持ちの方は是非教えて頂けると嬉しいです。

 

 

 

最後に改めて痛感することがひとつ。

ノルウェー産の冷凍〆鯖って安いのにうめーな。

なんか本末転倒な終わり方ですが、安くて美味いは正義。